夢の中で
現実では自分を嫌い、いじめている相手を
自分が嫌いいじめ、相手が悲しげにしていることがある
その逆もある
現実では貧乏で辛い生活をしていて、金持ちに嫉妬しているのに
夢の中では自分が金持ちで
貧乏人に嫉妬されている
かつて、誰かに言ったことを
自分が言われていたり
自分が誰かに言われたことを
誰かに言っていたり
夢の中では立場が逆転することがある
相手の立場で想いを伝えようとするのだ
潜在意識が。神が。神なる自分自身が。
カルマ返しのこともある
これはとても、お得な話
現実の中で、カルマの負債を払うべく辛い目に遭わなくても
夢の中で、辛く悲しい思いをする
夢の中で、惨めな人生を送る
目覚めたら、カルマは解消している
これは、夢は夢に過ぎないと思っている人が聞けば
なんともずるい、虫のいい話
夢で許されるなんて!と
けれど、この世の全てが夢幻で
人生が幻想で
夢もまた現実と変わらないと気付けば
夢でカルマの負債を払えることに納得がいく
こんな男性がいた
高熱で何日か意識不明になり
その間、ずっと夢を見ていたと
夢の中でその人は女性として
約20年を過ごした
孤児として路上で寝起きし
拾い食いと盗みで生き延びて
ときに、お金のために身体を売り
愛した男に貢ぎ捨てられ
妊娠していたが
出産時の大量出血で死んだ
目覚めたとき、彼は自分が男性で
安全で清潔な病院のベッドに横たわっていることが理解できなかった
意識がはっきりししゃべれるようになると第一声で
私の赤ちゃんは?と
そして、全てが夢だったと知っても
泣いて泣いて、夢の中の人生の悲しみから逃れられないようだった
そして退院後、彼はある、現実の人生で出逢い別れた女性に詫びた
遊びで付き合い、彼女の妊娠を機に別れた女性に
現実の人生で彼がした行いを
彼は夢の中で逆の立場で経験したのだ
よりいっそう、厳しい形で
その女性が彼を許したかは分からない
けれど、彼は夢の中で生きた年月があまりにもリアルだったため
その後の生き方が変わってしまった
彼には、今世や来世で、その女性にしたことのカルマ返しはこない
高熱で何日か意識不明だった間に見た夢は、彼にとってまぎれもない現実の年月で
今世にありながら、もう一つの人生、カルマを返すための来世を生きてしまったようなもの